fairy3 空の物語 上

【愛斗】

「はぁ……。やっと部活終わった」

部活が終わって、僕は家の近くの坂を登っていた。

休憩したあとの部活に僕は身が入らなかった。

理由は奏佑の言葉だ。

「お前の行動次第で変わることだってある」

僕は足を止めて深く溜め息をついた。

奏佑の言っていることはちゃんと分かっている。

だけど、僕は……。

「帰ったら、雪菜の様子でも見に行こうかな……」

僕は考えるのをやめた。

考えたところで僕の気持ちは変わらない。

きっと……。

「あ、雪菜の家に行くってなったら、愛羅付いて来るかな?」

今日母さんも父さんも家に居ない、居るのは愛羅だけ。

「あいつ連れてくの嫌だなぁ……」

小さい頃は女の子みたいな顔立ちで可愛かったのに、今じゃ生意気すぎて困る。

もしかしてちょっと早い反抗期なのかな?

特に僕に対しての……。

「愛羅には、一葵の家にでも行くと言っておこう」

僕は再び溜め息をついて歩き出す。

『なんだ。溜め息なんかついて』

「ソレイユ?」

家の扉の前でソレイユと会った。

「今帰ってきたの?」

『あぁ』

たしか、今日は一葵の家で妖精会議を開いてたんだっけ?

でも、なんか疲れてるように見える。

「話し合いの結果何か分かった?」

『いや、もう会議じゃなかった』

「や、やっぱり?」

なんとなく想像がつくけど……。

僕は何も聞かないことを選んだ。

『……でも、あいつに会えた』

「あいつ?」

あいつって誰だろ?

『雪菜の妖精のシアンだ』

「雪菜の妖精?!」

雪菜の妖精が出てきたって事は、雪菜は大丈夫なのかな?

「とりあえず、荷物置いたら雪菜の家に行こう!」

『そうだな』

慌てて家の中に入った時、二階から笑い声が聞こえた。

「誰か遊びに来てるのかな?」

珍しいなぁ、愛羅が友達連れてくるなんて。

今までそんなこと一度もなかったのに。

『愛斗、靴見ろ』

「え?」

下を見下ろすと、そこには見覚えのある靴があった。

それを見た僕は、急いで愛羅の部屋に向かった。

「愛羅!」

勢いよく部屋の扉を開けると、予想通り部屋の中に雪菜の姿を見つけた。

「雪菜!」

「愛斗、おかえり」

「う、うん……」

可愛い笑顔で『おかえり』って言われた。