fairy3 空の物語 上

【ソレイユ】

その頃、俺たちはというとーー

『それじゃあ、これから妖精会議を始める』

『いえーい!』

『えっと、ちょっといいかクサン?』

何故かやたらハイテンションなクサンはニコニコと笑っていた。

『なに?ソレイユ?』

『言っとくが、これは遊びじゃないからな』

『分かってるって!』

ほんとに分かっているのか心配だ。

俺たちは、一葵の家に集まって妖精会議を開いていた。

一葵本人は家の手伝いがあるとかで、家には居ない。

妖精会議と言っても、昨日のことを話し合うだけなんだがな。

『おいローザ、何で鏡なんて見てんだよ……』

『お肌チェック』

『オランジュ、寝るな』

『寝てない……』

いや、絶対寝てるだろ。

『クレール、雨降らすな!』

『これが、私の仕事』

部屋で雨降らすのが仕事なのかよ……。

『クロア、本をしまえ』

『このページ読んでから』

俺以外みんなやりたい放題だ。

本当に昨日のことで話す気あるのかよ。

こんなことしてる時にも、アクたちは行動を始めているってのに……。

『はぁ……。とりあえずソレイユ、何か言うことある?』

『は?』

唐突にクレールが俺に質問してくる。

『私たちは特に報告するようなことないし』

『あるとするなら、ソレイユくらいだもんね』

クサンの言葉に少々イラッとしたが、怒りをなんとか沈めたつつ溜め息をついたあとに言う。

『昨日、シアンの力を感じた』

『……』

『……』

『なんで黙るんだよ!』

言えって言ったのお前らなのに、なぜ急に黙り込むんだ。

『だって、シアンの名前が出るなんて思ってなかったし』

クレールは、呆れて溜め息をついた。

まぁ、それもそうか……。

みんな十年前以来、シアンの声なんて聞いてないし。

『だけど、昨日俺たちを助けてくれたのは紛れもなくシアンだ』

それでも、シアンが俺たちを助けてくれたことには変わりない。

姿を現してくれなくても。