fairy3 空の物語 上

な、なんか怖い……。

ここに居るってことは、妖精狩りからは逃げられたってことなのかな?

それとも、元々ずっと愛羅君の傍にいた?

『お前さ、妖精いるんだろ?』

「う、うん。いるよ」

私の中にシアンは居る。

『居るはずなら、なんでこの場にいない?』

「そ、それは……、今は出てこれないの」

どう説明すればいいんだろう?

『今のお前の傍に妖精がいないってことは、お前には心がないって意味になる』

「リズム!言いすぎだ!」

「私に……心がない?」

そんなはずないよ、だってシアンは私の中にいてちゃんと心だってある。

妖精がいないからって、心がないなんてことは……。

「雪菜、リズムの言うことは気にしなくていいから」

『愛羅、お前は優しすぎるんだ』

「リズムうるさい!」

じゃあもしかして私には心がないから、自分の夢を思い出せないの?

それとも、私は元々心なんて持っていないの?

私の中にいるシアンは幻なの?

私が勝手に作り出した存在なの?

私に……心なんて……。

その時、私の脳裏に小さい頃の記憶がよぎった。

「雪菜……!雪……菜!しっかり……て……!」

この声は、お母さん?

しかしその記憶はノイズが走っており、言葉が途切れ途切れになっていた。

「……様……。どう……ですか?」

私のすぐ近くには、女の人の姿が見えた。

『すまない……。……の……せいだ。お前……を、壊して……』

何を壊したの?

言葉が上手く聞き取れない。

『無理に思い出さないで』

「……誰?」

前を向いた時、私の目の前に人影が見えた。

「シアン?」

その名前に人影は首を左右に振る。