fairy3 空の物語 上

『そんな事が言えるのは、今だけだ』

グリードは、私から離れる。

『ラース、居るだろ?』

『居るけど……』

今度は、憤怒の妖精ラースが入が部屋に入って来る。

ラースは憤怒の妖精にしては、とても落ち着きのある子だった。

そして、七つの大罪の中では三番目であり長女でもある。

『ルルをハヤテのところに連れて行ってやれ』

『えっ……』

私は耳を疑った。

なんで、グリードがそんな事を言うのか分からなかった。

『いいの?アクに怒られるけど』

『心配するな、ルルのことは全部任せられている』

『あっそ……』

グリードが部屋から出ていったことを確認したラースは、私のところに来る。

『申し訳ございませんルル様、兄が酷いことを』

『わ、私は別に大丈夫……』

ラースも、私が第2のヴィーナスってことで口調も丁寧だし、よく身の回りのことをやってくれてる。

『本当に、ハヤテに会わせてくれるの?』

『グリードがそう言ったなら、必ず会わせます』

私は、ラースの後を着いて行った。

地下へと続く階段がある部屋に着き、ラースは古びて重い扉を押す。

錆びているせいか、耳障りな音がする。

『こちらです』

ラースは、近くにあったランプを手に取り階段を照らす。

地下に入ったのは初めてだったからとても肌寒い。

『ここに、みんなが……』

階段を下りて行くと、ラースはある扉の前で足を止めた。

『この中に、ハヤテ様がいます』

『他のみんなは……?』

『……』

ラースは、何も言わず扉を開けた。

私は、ゆっくりと部屋の中に入る。

そして、目の前の光景に絶句した。

『な、……なに……これ?』

部屋の中は血だらけで、床には骨や頭蓋骨が転がっている。

そして、目の前には手足を鎖で繋がれて、ぐったりしているハヤテがいた。

『は、ハヤテ!!』

私は、目に涙を浮かべハヤテに駆け寄る。

『ハヤテ!しっかりして!』

『……んん……』

ハヤテは、私の声に気がついたのかゆっくりと目を開いた。

『……る、……る、か?』

『ハヤテ……!』

私はハヤテに抱きつく。

なんでハヤテがこんな目にあわないといけないの?!

ハヤテは、何も関係がないのに……。