fairy3 空の物語 上

『……っ』

『……』

リヤンが去ったあと、しばらく沈黙が続いたけど、先に言葉を発したのは奇跡だった。

「なるほど。やっぱり、全ての元凶はお前だったわけだ。あの時、あの場で忠告したのは、遅かったってことだ」

『奇跡……』

「お前が、均衡を壊ささなければ、姉さんがあんな未来を辿ることもなかったのか……」

『姉さん?』

奇跡は、踵を返すと部屋から出ていった。

『ヴィーナス……』

『……』

ヴィーナスは、視線を下に向けていた。

きっと、ヴィーナスだって好きでそんなことをしたんじゃない。

みんなのために、未来のためにそうするしかなかったんだ。

『私は、均衡を保つために、子供たちのために、あの子を犠牲にしました。でも、やはりそれは間違いだったのかもしれません』

『……そうだな。もし、そんなことになっていなければ、アクはもっと素直で良い子に育っていたかもしれない』

ヴィーナスは、目に涙をためると頭を下げる。

『お願いします。どうか、あの子を止めてください』

『ヴィーナス……』

『そのためにも、今後について話し合うんだ』

そうだ。

ヴィーナスのためにも、雪菜たちのためにも、アクは絶対に止めないと行けない。

それが、第2のヴィーナスとして生まれた私の使命だ。

必ず、アクを止めてみせる。