fairy3 空の物語 上

『本当のこと話したらどうかな?』

『っ!』

私たちは、一人の妖精の気配に気が付かなかった。

顔は見えないように白い布が垂らされており、全身は黄色い服で包まれている。

そして、服には見覚えのない模様が刻まれており、頭には帽子を被っていて、帽子の尖って両サイドからは、揺ら揺らとダイヤが揺れていた。

『あなたは、リヤン……!』

『久しぶり……、このーー』

リヤンと呼ばれた妖精は、ぐっとヴィーナスに顔を近づけると言う。

『この、妖精殺し』

『っ!』

“妖精殺し”と聞いた私たちは驚く。

ヴィーナスが妖精殺しって、どういうこと?

『……やっぱり、あなたは私の記憶までも改ざんしたのですね』

『そうだよ。じゃなかったら、私が消えることが出来ないから』

『いったい、どういうことなの?』

『……話せば長くなるよ?』

「俺は、構わない。ヴィーナスから話しを聞かないと、この先闘っていけないからな」

私たちは、ヴィーナスに目を向けた。

ヴィーナスは、話すのを迷っているのか、拳に力を込めている。

「ヴィーナス。親としての情があるなら、そんなもの今すぐ捨てろ」

『……っ。分かりました。全てお話します。どうして、アクがあんなふうになってしまったのか……』

まさか、アクがあんなことをするようになった出来事があるの?!

『アクは、本当はあんなことが出来るような子ではありませんでした。ですが、私がそうさせてしまった』

『……いったい、なぜ?』

『……この妖精界は、二人の妖精によって成り立っていたのです』

『二人の妖精?』

『それは、有無の妖精です』

有無の妖精と聞いた私たちは、リヤンに目を向けた。

『有無の妖精は、双子の妖精として、常に一緒にいました』

『でも、初めての双子の妖精は、フレイとフレイアのはずじゃ……』

『それは、この事実を隠すため。そうでしょ?』

リヤンの言葉に、ヴィーナスはゆっくりと頷いた。