fairy3 空の物語 上

あの時、私の体から均衡の鍵が抜かれた時、私は何かを失った感覚に襲われた。

でも、今はこうして普通に動けているから、特に心配ないと思う。

それに、オルドも大丈夫だと言っていたし。

『なら良いけど』

『心配してくれてありがとう。ハヤテ』

『お、おう……』

『はぁ……、話がまとまったところで、今後の話だが』

アカツキが持っていた本を開いた時、勢いよく部屋の扉が開けられた。

私たちは、一斉にそちらへと目を向けた。

すると、そこにはヴィーナスをギロリと睨みつける奇跡が立っていた。

『どうした奇跡。怖い顔をして』

「悪いオルド。今後の話は、ヴィーナスの話を聞いてからしてくれ」

奇跡はずかずかと歩いてくると、ヴィーナスを見下ろす。

「ヴィーナス、あんたに聞きたいことがある。アクのことと、リヤンについて、それと“有の妖精”について」

『っ!』

有の妖精の言葉を聞いたヴィーナスは、驚いて目を丸くした。

『どうして、あなたがその子のことを……』

「そんなの、過去の記録を見れば分かることだ」

『過去の記録?』

奇跡の言葉に、アカツキとオルド、それにヴィーナス以外の私たちは首をかしげた。