fairy3 空の物語 上

その頃、私と愛斗とソレイユは、みんなとはぐれてただひたすらに走っていた。

「ソレイユ、僕たちはどうなるんだ?」

『……分からない。出口はアクが塞いでしまっているから、この空間からは出られないんだ』

じゃあ、ただ捕まるのを待つだけってこと?

「きゃあ!」

「雪菜?!」

急に髪を後ろへ引っぱられた。

「い、たい……」

顔を上げると、そこには黒い影が笑いながら私を見下ろしているところだった。

それを見た私の体に鳥肌がたつ。

「ひぃ……!」

怖い、怖い……、怖い……!!

私は、生まれて初めて恐怖というものを知った。

「雪菜!」

愛斗が私に駆け寄ろうとするけど、ソレイユがそれを阻止する。

「どいてよソレイユ!このままじゃ雪菜が連れていかれる!」

『行ってお前に何か出来るのか?!』

「それは……」

ソレイユの言葉に、愛斗は視線を下げる。

『俺たちは、まだ加護を受けていない。闘える力がないんだ』

「でも、このまま雪菜を見捨てるなんて、僕には出来ない!」

愛斗とソレイユは言い合いをしていた。

そんな中私は、必死に考えていた。

どうすれば、この黒い影から逃げられるの?

どうすれば、愛斗からこの黒い影を遠ざけることが出来るの?

このままじゃ、私だけじゃなくて、みんなまで連れて行かれちゃう。

「そんなの……、嫌だ!」

自分にも妖精がいるなら、闘える力があるなら、みんなを守りたい!

お願い答えて!私の中にいる妖精!

私の心臓が大きく跳ねる。

私の中にいる妖精だって、私と同じ気持ちでしょ?

大切な人たちを守ろうよ!

あなたと一緒に闘いたいの!