fairy3 空の物語 上

『もし、あの場でリヤンがもう少し早く出てきていたら、戦況は変わったのかな?』

「……さぁな……」

リヤンは、自分がリンクするためには必ず雪菜が生きられる道を選ぶはずだ。

だから、あの時も雪菜とシアンとのリンクを無効化して、勝手にリンクをし、ヴァニティを蹴り飛ばした。

あの時、もしリヤンが自分の力を使ってヴァニティを消していたなら、この先の闘いはもっと楽になっていたかもしれない。

『七つの大罪たちの次に闘うことになるのは……』

「あの三人だろうな」

俺は、持っていた手帳を見て、三人の名前を呟く。

「夕闇に妖精(ゆうあんのようせい)アガット、太闇の妖精(たいあん)の妖精バーント、雷闇の妖精(らいあんのようせい)イェーナ……」

この先の闘いは、もっと厳しくなる。

俺とシンクなら、この三人を相手に闘うことは出来る。

でも、一人じゃ勝利を掴むことは出来ない。

「やっぱり、覚醒を早めた方がよさそうだ」

シアンには、まだ秘められた力が残っている。

それに、錠前はシアンの中にあることが分かった。

鍵はアクに奪われたが、錠前があるならこちらにも手はある。

俺は、ベッドから下り部屋から出て行こうとする。

『ねえ奇跡。次は、何をやるの?』

「そうだな。とりあえずは、こんな馬鹿な闘いを生むことになった元凶の話を聞かないとな」

『それって?』

「ヴィーナスに話を聞く」

ヴィーナスなら何か知っているはずだ。

リヤンのことも、なぜアクがあんな道を辿ることになったのかも……。

あと、もう一つ確認したいことがある。

「もしかしたら、この闘いの引き金になったのは、“有の妖精”が関係しているかもしれないしな……」

過去の記録に、名前だけ載っていた、正体不明の妖精。

有の妖精ってことは、少なからずリヤンとも関係があったはずだ。

全ての謎を明らかにするためにも、まずはヴィーナスの話を聞こう。