fairy3 空の物語 上

【奇跡】

『奇跡、傷の具合は大丈夫?』

「あぁ……」

『ご飯はちゃんと食べた?』

「あぁ……」

『雪菜の目が覚めたって聞いたよ。様子見に行ってみる?』

「あぁ……」

『……』

俺は、手帳を見ながらシンクにそう応える。

『もう!ちゃんと話聞いてよ!』

「ちゃんと返事してるだろ」

『同じ応えじゃん』

「いいだろ別に」

『もう……』

シンクは溜息をつくと、俺の肩の上に座る。

『やっぱり、未来通りに行った?』

「あぁ。未来通りに話が進んでいる」

あの時、愛斗たちがあの場に残ることは知っていた。

愛斗以外にも、奏佑・沙羅も残ることを。

それは、未来でも同じだったからだ。

『ねえ奇跡、このことはシアンたちには伝えておくべきだったんじゃないの?』

「もし言っていたら、あの場で全員死んでいた。仮に言っていたとしても、あの場には誰か残る必要があったんだ」

でないと、雪菜は生き延びることは出来ない。

たとえ、何を犠牲にしてでも雪菜には生きてもらわないといけない。

俺たちの未来のためにも……。