fairy3 空の物語 上

『俺のことは、歓迎されていないみたいだね』

男は、泉の上に降り立つ。

『なぜここが分かった?!』

『タイミンクが悪かったわね……』

「……アク?」

「え?!」

私は、何故かその名前を口にしていた。

『そう、俺がアクだ』

アクは手を広げると、黒いオーラを周りには放つ。

すると、さっきまで泉に流れていた水が汚れ、草木も枯れ果ててしまった。

『なっ!』

私たちは、アクの力に圧倒された。

「泉が一瞬にして……」

『ここは、キセキの泉って言うんだ』

アクは、喉の奥で笑いながら私たちに近づいてくる。

私たちは、こんなやつと闘わないといけないの?

私は、アクの表情にゾッとした。

『残りの妖精たちが、ここに居るなんて思っていなかったよ』

『何をしに来た!』

ソレイユが怒声でアクに問う。

『そんなの決まってるさ』

私は、嫌な予感がした。

『君たちを捕まえるためだよ』

妖精たちは、それぞれみんなに付く。

『でも、まさか主までいるとは思ってなかったけど……』

アクは、目を細めて私たちを見て来る。

「他の妖精たちは、どうしたんだ?!」

「愛斗?!」

愛斗は、震えながらもアクに聞く。

『俺の城で眠ってもらってる。お前たちも来れば分かるさ』

「誰がお前なんかに付いていくか!」

奏佑は、未来の手を握る。

『なら、力づくでも連れて行くまでだ』

アクは力強く目を見開くと、両手を広げ黒い影たちを生み出した。

そしてアクの呼び掛けと共に、七体の黒い影は私たちに向かって来る。

『ちっ!ローザ・クロア・クサン・ソレイユ・クレール!お前たちは主を守りながら逃げろ!!』

『分かってるわよ!』

『うん!』

「雪菜こっちだ!」

愛斗に手を引かれ、私たちはそれぞれバラバラの方向に逃げる。

『沙羅!こっちだよ』

「ま、待って!」

「未来!俺から離れるなよ」

「そ、奏佑……」

私たちは、ただこの森の中を逃げ回るだけだった。

「しつこいな……!クレール、出口はないのか?!」

『今探してるけど、アクが完全に道を閉じてるのよ!』

「じゃあ……」

「俺たちは、袋のネズミってわけだ」

「そんな……!」

奏佑の傍にいたオランジュは、拳に力を込めた。

『もしかして、もう諦めたの?貴方らしくもない』

『そんなわけないだろ!ただ……』

『ただ……?』

オランジュは、私に目を向けた。

『あいつさえ出てきてくれれば、こんな奴ら……』

『あまり、期待しない方がいいわよ。それよりも、優空たちを逃がす方法を考えないと』

「俺は、オランジュたちのこと信じてるぞ」

「私だってローザのこと信じてるよ!やっと会えたのに、また離れるなんて嫌だもん」

『未来……』