あの日は、まだ守護妖精候補に選ばれる数日前で、私は興味本位でキセキの泉を覗きこんでいた。

泉を覗き込んでみると、浅く見えていた泉は、全然浅く見えなくて、とても奥深く見えて、ヴィーナスが言っていたとおり、この泉に落ちたらひとたまりもないと思った。

だから、泉には落ちないようにしていたつもりだった。

雪菜のところに帰る時間になって、立ち上がろうとしたとき、私は誤って手を滑らしてしまい、そのまま泉へと落ちてしまった。

私はすぐに上がろうとした。

でも、何かに引っ張られていく感覚に襲われて、私は意識を手放した。