fairy3 空の物語 上

「これはなんだ?」

優空君は、指輪を見つめる。

『これは、私たちと“リンク”する時に使うものよ』

「もしかして、変身とかするの?!」

さっきまで震えていた未来はどこへいったのか、瞳を輝かせてクレールに聞く。

そんな未来を見たクレールは、深く溜め息をつく。

『そうよ、生身の体なんかで闘ったら死んじゃうからね』

「し、死ぬの?!」

『最悪の場合わね』

クレールの言葉に、再び未来は怯え始めた。

『ちょっとクレール、私の未来を怯えさせないでくれるかしら?』

『あの子が私に質問してきたんだから、質問に対して素直に答えただけよ』

ローザとクレールの間で火花が散る。

ソレイユは、咳払いをして話を戻す。

『その指輪は、加護を受けないと使えない』

「加護って?」

『俺たち妖精が持つ力の加護だ』

「それはどうやって?」

その時だった。

『へぇ、こんな所にいたんだ』

「っ!」

頭上から声が聞こえ、みんなは一斉に上を見上げる。

上から差し込む光が銀髪を照らし、黒で統一された服装をまとった男の紅い瞳が、私たちの存在を捉えていた。

「だ、誰だお前は?!上から喋ってんじゃねぇぞ!」

一葵が喧嘩腰にそう言うものだから、クロアは慌てて一葵に近寄る。

『馬鹿!あいつを煽るな!』

クロアが一葵の口元を抑えた。

「だ、誰なの?」

沙羅は後ずさり、奏佑は何かを感じたのか後ろに未来を庇う。

それを見た愛斗も、私の手を握る。

優空君は、じっと男を睨みつけていた。