fairy3 空の物語 上

『どうやら、話はおわったようだね?』

アクの手のひらの上には、さっきルルの中から取り出した鍵が浮いていた。

青々と輝くその鍵は、一見普通の鍵のように見えるけど、よく見ると取っ手の部分が蝶の形をしていた。

『アク、一つだけ聞かせろ』

アクは、グリードの方へと視線を向けた。

『お前は、俺たちを利用していたんだよな?』

『あぁ、そうだよ』

アクは、迷うことなくグリードにそう告げた。

グリードの言葉に他の七つの大罪たちは驚いていたが、グリードはさほど驚いているようには見えなかった。

まさか、グリードは自分たちが利用されていることに気がついていた?

『俺にとって、君たちは都合が良かった。理不尽な理由から扉の向こうに閉じ込められ、ずっと一人孤独だった君たちは、ヴィーナスを恨んでいた』

『確かに、俺たちは理不尽な理由から、ヴィーナスによって扉の奥へと閉じ込められた。だから俺たちは、そんな孤独から救ってくれたアクに、恩返しがしたく、お前の為に闘い、兄弟姉妹の為に闘ってきた。だけどーー』

グリードは、鋭くアクを睨みつけた。

『お前は、そんな俺たちの気持ちと願いを裏切り、あまつさえエンヴィーとプライドを殺そうとした』

『もとはエンヴィーが悪いんだよ。通っちゃいけない廊下を通った挙げ句、見られたくないものを目にしてしまったんだから。そのうえ、プライドまで巻き込むことになったんだからね』

『あの二人には、特別な繋がりがある。プライドがエンヴィーを見殺しに出来るはずなんかない。お前は、それを知っていて、それを利用した!』

『まあ、大体はグリードが考えている通りだよ』

今にもアクに襲いかかろうとしているグリードを、奇跡は手で制していた。