fairy3 空の物語 上

「ねぇ、一つ聞いてもいい?」

愛斗が確認を取るようにソレイユに聞く。

「アクは、力のある妖精を実験道具に使ってるんだよね?それなら、先代の守護妖精たちはどうしたの?それに、力を持たない妖精はどうなったの?」

愛斗の質問に、ソレイユはすぐに返答することが出来なかった。

また、他の妖精たちは深く落ち込んでいるようにも見えた。

『まず、力の持たない妖精たちは…徹b、アクと七つの大罪によって殺されたんだ』

「こ、殺されたって?!」

なんで殺す必要があるの?

だって、もしかしたら殺された妖精たちも、アクの弟や妹かもしれなかったのに。

酷すぎるよ……。

「じゃあ、守護妖精たちは?」

愛斗の言葉に、ソレイユは首を左右に振った。

『守護妖精たちとヴィーナスは、行方不明なんだ』

「居場所が分からないの?」

『私たちも探したんだけど、手がかりや痕跡が一切見つかっていない』

『それで俺たちは、アクの元にいると考えている』

じゃあ、私たち以外に闘える人たちがいないんだ。

そう考えたら、体が震えた。

みんなは妖精がいて、闘える力を持っている。

だけど、私にはその力すらない。

私が居たんじゃ、みんなの足でまといになるんじゃないの?

「雪菜、安心して!」

「愛斗?」

愛斗が優しく私に笑いかけてくれた。

「雪菜は、必ず僕が守るから!」

「愛斗……」

その言葉が、一番欲しかった言葉だった。

『まず、俺たちは再び繋ぎ直さないといけない』

「繋ぎ直す?」

ソレイユがそう言うと、愛斗の右手首に赤紫の蝶の紋章が刻まれた。

「な、なにこれ?」

『それは、主と妖精を繋ぐ紋章だよ。それがないと、オイラたちと一緒に闘えないんだ』

みんなの体にそれぞれ蝶の紋章が刻まれて行く。

沙羅は鎖骨。

未来は太股。

奏佑は背中。

一葵は左肩にそれぞれ刻まれた。

もちろん、私には何も起きない。

『心配するな。妖精が心から出てくれば、自然とお前にも刻まれる』

「あ、ありがとう」

オランジュの言葉にホッとする。

『さて、次の段階に行きましょうか』

クレールは手をまえにかざすと、ある指輪を優空君の手のひらの中に落とす。