fairy3 空の物語 上

【シアン】

『アク……』

『まさか、君の方から来てくれるなんて思ってなかったよ』

『私は、お前の為にここに来たんじゃない』

『ま、そうだろね』

アクが指を鳴らすと、ラースとグラトニーが姿を現す。

私たちは、精霊剣を抜き構える。

『まぁまぁ、少し落ち着きなよ。せっかく来たんだから楽しもうよ』

『お前と話すことなんてない』

『ルルは何処に居る!』

アクは、軽く笑うと私たちが見えるようにその場から移動する。

すると、奥の方で鎖に吊るされているルルの姿が見えた。

「ルル!」

ルルは気を失っているのかぐったりしていた。

それによく見ると、ルルの背中から羽が生えている。

「あれが、ヴィーナスの証である羽」

『よく知ってるね。誰から聞いたのかな?』

「言う必要ないだろ」

奏佑がそう叫ぶ。

『別に教えてくれなくてもいいよ。でも、今君たちに邪魔されるわけには行かないんだ』

アクは、私たちに向かって手をかざす。

『ラース、グラトニー。シアン以外は皆殺しで構わない』

『了解しました』

『これでやっと、本気で闘えるわけだ』

ラースは鞭を取り出し、グラトニーは斧を一舐めする。