fairy3 空の物語 上

【奇跡】

アクの黒城へと到着した俺たちは、王座の間へと続く扉の前に来ていた。

「いいか。作戦通り動けよ」

「分かってる」

「しくじるなよ」

俺は、扉に手を当てゆっくりと扉を開けて行く。

耳障りな音が鳴り響きながら、先に優空たちが部屋の中へと侵入する。

『ここが王座の間か……』

俺たちは、周りの様子を伺いつつ、奥の方へと進んで行く。

「ここにヴィーナスさんが居るだよね?」

「あぁ。そのはずだ」

この先にヴィーナスがいるはずだが、周りに敵の気配はしない。

もしかして罠か?

「おい、あれを見ろ」

優空の言葉で全員が前を向く。

『あ、あれは……』

「見つけたぞ。シンク」

そこには、青々と輝きを放つクリスタルがあった。

そして、その中で眠るようにヴィーナスは優しい表情を浮かべている。

『やっと、ヴィーナス様を見つけることが出来た……』

「クロア。喜ぶのはまだ早いぞ」

『一葵の言う通りよ。早くクリスタルを破壊しましょう』

クレールの言葉を聞き、俺はクリスタルにカルマンを向ける。

『照準定めたよ』

「了解」

銃弾にシンクの力を込めて一発撃つ。

真紅の光をまとった銃弾が、クリスタルに向かっていった時だった。

キィーンーー

銃弾が金属音に弾き返された音が、王座の間に中に響き渡った。