fairy3 空の物語 上

【アカツキ】

『アスナ、ハヤテを見つけた。治療を頼む。未来と奏佑は、奥の方を見て来てくれ』

「分かった」

「行ってきます」

未来たちを見送り、俺はハヤテに近寄る。

『おいハヤテ!しっかりしろ!』

俺は、ハヤテの頬を軽く叩く。

『なっ……、だ……れだ……?」

ハヤテは、ゆっくりと目を開け俺の姿を確認する。

そして数秒後に驚いて声を上げた。

『あ、アカツキ!』

『意識は、はっきりしてるな』

アスナは、リュックから包帯や消毒液を取り出す。

『お前、無事だったのか?!』

『この通りな。お前は、随分と痛めつけられたみたいだな』

『……あぁ。思い出すだけで傷が痛むよ』

ハヤテの体のあちこちには、拷問の後らしき傷が残っている。

これはグラトニーの仕業か?

『てゆうか、何でアスナがここに居るんだ?』

『私は、みなさんの傷を手当しに来ました』

『ばっ!アクに見つかったらただじゃ!』

『安心しろ。俺たちはお前たちを助けに来たんだ』

『俺たち?』

ハヤテは、アスナに治療を受けながら首を傾げる。

『今、外で雪菜たちが見張っている』

『ゆ、雪菜だって?!』

『雪菜以外にも、シアンやソレイユたち。守護妖精とその守護者たち全員がここに来ている』

『そ、そうなのか……』

ハヤテは、安心して息を吐いた。

『応急処置しか出来ませんが、これで大丈夫ですか?』

『あぁ。ありがとう』

ハヤテは、壁に手をつきながらゆっくりと立ち上がる。

『それじゃあアカツキ、俺は行くよ』

『行くって何処にだ?』

『そんなの決まってる。ルルを助けに行くんだ』

牢屋から出ていこうとするハヤテを見た俺は、ハヤテの肩の上に手を置く。

『やめろ。今のお前じゃルルを救うことは出来ない』

『でも、俺が行かないといけなんだ。俺が、行か……ないと』

その時ハヤテの体から力が抜け、俺に向かって倒れ込む。