fairy3 空の物語 上

「俺たちはここで見張りだな。気を抜くなよ雪菜」

「う、うん。分かってる」

いつもなら“僕”って言っているから、いきなり“俺”って言ったから驚いた……。

そっか、愛斗はソレイユとリンクすると一人称が変わるんだ。

なんか、“僕”よりも“俺”の方がかっこよく見えるのは気のせいかな?

「俺の顔に何か付いてる?」

「へ!いや、何も付いてないよ!」

私は、慌てて頭を左右に振る。

愛斗は、更に首を傾げる。

しかし、愛斗は直ぐに前を向いてしまった。

「なぁ、雪菜」

「な、なに?」

「優空のことは、ちゃんと落ち着けたか?」

「あっ……」

そうだ。

あの時m愛斗に慰めてもらって居た時、タイミング悪くグリードが来ちゃったんだっけ。

もしかして、愛斗はずっとそのことを気にしてたのかな?

「そうだね……。いくらか落ち着いたかな……」

「なら、いいけど」

愛斗は、そっぽを向く。

「また、泣きたくなったら言えよ。また、傍にいてやるから」

「愛斗……。ありがとう」

あの時、愛斗が隣に居てくれて良かったって心からそう思う。

もしあの時、愛斗が来てくれなかったら、私はきっと闘いどころじゃなかったと思う。

ずっと泣いたまま、うずくまっていたかもしれない。

でも、愛斗が私の背中を押してくれて、いつも私に元気をくれた。

そんな愛斗を私は……。

私は……。