あちこちで人々の逃げ惑う悲鳴が聞こえる。

俺はそれが耳障りだ。

逃げる奴等は、自分で身を守ろうとはせず、ただ俺たちに守られているだけなんだから。

「……」

俺は辺りを見回す。

「気配は……」

気配を探っていた時、一つの影が俺に襲いかかる。

『ぎゃははははっ!』

「なんだよ、その笑い方……」

俺はそいつに銃口を向け数発放つ。

バンバンバン──

「気持ちわりぃんだよ……」

『ぐぎゃっ!』

撃たれた奴は、その場に落下すると動かなくなった。

「たく……」

俺はそいつの頭を踏みつぶす。

踏み潰された頭は、砂と化してサラサラと流れて行く。

「これは、偽物だ」

俺はもう一度そいつに銃口を向け一発放つ。

そこに倒れている分身の体は、光に包まれると空へ上がっていった。

「これじゃあキリがないな」

「おーい!」

遠くの方で、俺に呼びかける声がする。

「なんだ、意外と早く来たな」

俺は声のする方へと振り返る。

俺の近くに二人の男女が駆け寄って来る。

「まったく、いつも単独行動は辞めてって言ってるでしょ?」

「お前らが遅いんだよ」

「君が突っ走りすぎなんだよ」

「ふん……」

俺は、そっぽを向き目の前に銃を構える。

そして──

バンバンバン──

目の前にいる敵を殲滅して行く。

「あー!ずるいよ、一人で全部持っていくなんて!」

薙刀を構え笹塚梨杏(ささづかりな)は、敵を一掃する。

『さぁ!どんどん行くわよ!』

梨杏の心の妖精である、真珠の妖精──パールが楽しそうに言う。