fairy3 空の物語 上

『本当にあなたって人は、いい御身分ですね』

あの時だってあなたは“見ていた”だけだった。

『っ!』

少し感情的になってしまい、私は頭を左右に振った。

こんなこと今更思ったところで、今の現状はなにも変わらない。

それに、これはもう過去のことだ。

もう気にする必要なんてない。

『私は、私の使命を果たすまでだよ』

消えるのは、シアンではなく私の方だ。

これだけは、シアンにも絶対譲れないことだ。

『雪菜がリンクしてくれなくても、私が勝手にリンクするからいいわよ』

さて、アクは私の姿を見たらどう思うかしらね。

殺したはずの“姉”が目の前に現れたら、心から喜んで私を殺しにかかるのか。

それとも驚きのあまり何も出来ないのか。

どっちにしろ反応が楽しみすぎる。

私は何十年もかけて、自分が消えるためだけに動いてきた。

そしてアク、あなたを殺すためと一緒にね。

さぁ、今度こそ一緒に消えて行こうじゃない。

あなたの大好きな暗闇の中へと、あなたが大好きだった妹が待つ場所へとーー