fairy3 空の物語 上

『思い出したか?』

「君は……、一体」

『俺の名前なんて分かるだろ?愛斗』

「君は確か……、ソレイユ?」

『そうだ』

ソレイユと呼ばれた妖精は、愛斗の目の前まで行く。

他の妖精たちも、それぞれみんなの前に飛んで行く。

「貴方は、クサン?」

『そうだよ沙羅!オイラのこと思い出してくれて嬉しいよ』

クサンは、嬉しそうに沙羅の周りを飛び回る。

「ローザ、だよね?」

『そうよ未来、大きくなったわね。それに、とても可愛くなった』

姉御と呼びたくなるくらい綺麗な妖精が、優しそうに微笑んだ。

『相変わらず、大人しそうだな奏佑』

「オランジュか、久しぶりだね」

オランジュは、胸の前で腕を組むと頷く。

「よ、妖精って、まじかよ」

『やあ一葵、まだ妖精のこと信じてないのか?』

「う、うるせぇぞクロア!」

みんなは、それぞれ妖精のことを思い出した。

だけど、一人の妖精だけがみんなの所には行かず、誰かを待っているようだった。

「貴方は、誰か待ってるの?」

『……』

その妖精の目線は、とても冷たかった。

『気安く話しかけないでよ』

「す、すみません」

思わず謝ってしまった。

『そろそろ、来るかしら』

「一体誰が?」

後ろを振り返った時、誰かが走ってくる足音が聞こえた。

『やっと北』

妖精の女の子はニヤリと笑う。

そして姿を現した人物に、私は驚いてしまった。