『お前さ、プライドを見なかったか?』

『プライドだと?居ないのか?』

『ここ数日姿を見てねぇんだよ。毎日喧嘩を売られれば買っていたんだが、それが最近なくてよぉ』

グラトニーは、『やれやれ』といいながら両手を上げる。

『エンヴィーの次は、プライドだと……?』

いったいどうなっているんだ?

プライドはエンヴィーと違ってよく外に出ているが、外に出る時は必ず私かグリードに伝えてから行くようにしている。

だから、外に行くなら誰かしら行方を知っているはずだ。

『まぁ良いんだけどな。うるさいのが居なくてせいせいするし』

『グラトニー、さっきの言葉もう一回言ってみろ』

『じょ、冗談だよ!本気にするなっての』

『悪いが、私は今虫の居所が悪い。だから、私の前で冗談を言うのは控えろ』

私は、鋭くグラトニーを睨みつけた。

『わあったよ。相変わらずおっかねぇ……』

グラトニーは、斧を肩に担ぐと部屋から出て行った。

すると、グラトニーと入れ違いで今度はスロウスが部屋に入って来る。

『スロウス。寝てなくて良いのか?』

スロウスが自分から起きてこの部屋に来るのは珍しい。