fairy3 空の物語 上

「だ、誰?!」

「紹介するわね雪菜。この子は、お母さんの友達の子の小日向奇跡君」

「どうも」

「えっ、奇跡って……」

俺は雪菜をちらっと見た後、望美に向き直った。

「ちょうど今遊びに来ててね、今話していたところなのよ」

「そ、そうなんだ」

雪菜は、扉の近くに荷物を下ろし直すと望美の隣の椅子に座った。

そしてシアンは、雪菜の肩の上に座ると、疑わしげに俺とシンクを見てくる。

「は、初めまして、小早川雪菜です」

「小日向奇跡です。よろしく」

改めて名前を名乗った時、望美がくすくすと笑っていた。

どうやら、姉弟どうしで挨拶している風景がおかしくて笑っているようだ。

「ねぇ奇跡君」

「奇跡で構わない。敬語もいらない。堅苦しい」

「そ、そっか」

一応、今は同い年だからな。

「じゃあ、お母さんは奥の部屋で仕事の続きしてくるからね」

「えっ!」

「後は若い二人で、ごゆっくりとどうぞ」

望美はわざとらしくそう言うと、奥の部屋へと消えていった。

「……」

「……」

沈黙が部屋の中を漂う。

俺は、そんなことは気にせず紅茶を飲み続けた。