fairy3 空の物語 上

「望美、一つ頼みたいことがあるんだ」

「何かな?」

俺は、望美を真っ直ぐ見つめて言う。

「俺が未来の人間だってこと、姉さんと父さんには言わないでほしいんだ」

「……何か理由があるのね?」

「うん……」

シンクは、苦しい表情を浮かべながら俺を見つめた後に望美に聞く。

『望美は聞かないの?どうして私たちが過去に来たのか』

「うん。聞かないよ」

「なんで?」

母さんは、さっき沸かしていたお湯を使って紅茶を作り出す。

「奇跡がどういう理由で、過去の時代に来たのかは分からない。でも、私はそんなの特に気にしなりしない。だってーー」

母さんは、淹れたての紅茶を俺の目の前に差し出すと、笑顔を浮かべて言う。

「あなたは、私の子供だから」

「……母さん」

「きっとそれは、奇跡にとってはとても大切なことで、必ず成し遂げないといけないことなんだよね?」

望美の言葉に俺は頷く。

「だったら、私が言うことは一つだけ」

望美は、両手を口元にもってくると言う。

「頑張れ奇跡!」

「っ!」

母さんの言葉に、俺は目を丸くした。