fairy3 空の物語 上

「そうなんだ。未来と一緒に帰っている時、目の前を二匹の蝶が舞っていて、追いかけてきたらここに辿り着いたんだ」

「一葵と沙羅もそうなの?」

一葵は、面倒くさそうに頷く。

「まぁな、俺は黄緑の蝶だった」

「私は黄色の蝶だよ」

そんな何色もの蝶が、一斉に現れるものなの?

やっぱり偶然?

それとも……。

『揃ったか?』

『うーん、全員はいないわね』

『一人だけだろ?』

『こちらも、まだ一人足りないがな』

すると、私たちの周りで男女の声が響いた。

「な、なに?!」

未来は、怯えて奏佑の腕に自分の腕をまわす。

「大丈夫だよ、未来」

『怯えなくてもいい』

「誰だお前らは!」

一葵の言葉で辺りは一度静まり返った時、私たちの目の前に六色の光が現れる。

「な、なに?」

愛斗は、私の前に出て背後に庇うように立ってくれた。

『安心しろ、お前たちに危害を加えるつもりはない』

「どういうこと?」

その六色の光の中からは、小さな姿をした子たちが出てきた。

「な、なんだお前ら……」

一葵は驚いて一歩後ずさる。

もちろん私たちもだ。

『俺たちは、“妖精”だ』

六人の妖精?たちの中の一人が、前にでて私たちにそう告げる。

その男の子は、赤を基調とした着物を着ていて、さらに肩には着物を羽織っていた。

髪の色は、さっき追いかけてきた赤紫の蝶と同じ色で、右目は髪で隠れていた。

「僕たちのことが怖くないの?」

恐る恐る愛斗がその妖精に聞いてみる。

『怖くなんかない、俺たちはお前たちを知っているからな』

「私たちを?」

『俺たちは、お前たちの心だ』

その言葉が鎖を解く鍵だったのか、私たちの中で記憶が流れ始めた。

「な、んだこれ?!」

愛斗たちみんなは、頭を抱える。

「みんな?!」

だけど、私はなんともなかった。

でも記憶は私の中で流れた。

だけど、みんなと違って苦痛は感じなかった。

なんで私だけ?