fairy3 空の物語 上

【奇跡】

「ここか……」

俺は、紙に書いてあるメモを頼りに、ある人物の家の前に立っていた。

『小早川って書いてあるってことは、ここが望美と奈津の家だね』

「それと雪菜の家な」

本当は、ここに来る気はなかったけど、少し気だけ気になっていたんだ。

あの後、二人がどんな道を辿ったのか。

俺は、ちゃんと望美を助けることが出来たのか……。

『どうする?中に入る?』

「いや、いい。家のある場所だけ確認したかっただけだから」

未来で俺が住んでるところは、ここから離れた場所だ。

だから、この辺の景色を見ることができてよかった。

今の未来じゃ、この辺りの区域は何も残っていないから……。

「ここが雪菜が育った場所……」

俺は、ぐるっと辺りの景色を確認したあとシンクに言う。

「帰るか」

『そうだね』

踵を返して、もと来た道を戻ろうとした時ーー

「あのっ」

「んっ?」

誰かに呼び止められ振り返った時、そこにいた人物を見て目を丸くした。

「もしかして、雪菜の友達かしら?」

そこには雪菜の母親の望美が、買い物袋を下げて立っていた。