fairy3 空の物語 上

『くっ……』

『なに?その傷』

『あなたには、関係ないよ』

『関係なくないよ、あの時助けてあげたのに』

『っ!やっぱり……』

あの時、私を無理矢理追い出して、雪菜とリンクしたのは……。

『それに、私はあんたのこと妹だなんて思ってないから』

『……』

『こんな弱い妹は、私の妹じゃない』

『おい、一体なんの話を?!』

リヤンは、手を下ろすとオルドとアカツキに向き直る。

『どうする?私の力を使えば、みんなの傷はあっという間に治るけど』

『そうだな。今この状態で直ぐにみんなの傷を癒せるとすれば、お前くらいだ』

「そんなことが彼女に可能なんですか……?」

『私は、全ての力を無にできる妖精だよ。怪我を無効化することなんて、簡単なことよ』

リヤンは、顔を覆っている白い布に手をかける。

『けど、私の目は見ないこと』

「目を?」

『私の目は、全てを無に還す力を持っているの。だから。目は絶対に見ないで、死にたくなかったら』

「……」

本当に、この人が私と双子で生まれた妖精なの?!

私は、拳に力を込める。

私には、リヤンと同じ力なんて持っていない。

なのにリヤンは、私よりもはるかに強い力を持っている。

納得いかない……!

『納得いかない顔してるね、シアン』

『うっ……!』

リヤンは、嘲笑うように私を見下ろしてきた。

『安心しなさい、私がいればあなたは消えずに済むよ』

『え……』

耳元でそんなことを呟かれた。

リヤンがいれば私が消えずに済むってどういうこと……?

『それに、これからは私が雪菜とリンクして闘うから』

リヤンは、ぐっと私に顔を近づけてこう言った。

『あなたは用無しよ』

『っ!』

私の体は震えた。

『オルド、私部屋に戻るね……』

『……分かった。一人で帰れるか?』

『大丈夫……』

私は、壁に手を付きながらオルドの部屋から出て行く。

『し、シアン?!』

ソレイユの言葉を無視して、私は部屋から出て行った。