fairy3 空の物語 上

【シアン】

アカツキの言葉に私たちは驚く。

『連れ去られた俺でも、情報収集はしてたからな』

「さすが、もと側近……」

でも、さっきのアカツキの話には驚いた。

ルルの存在を維持させるために、そこまでしていたなんて思っていなかった。

『これは俺の考えなんだが、アクはルルが次のヴィーナスになるのを待っていると思う』

『根拠は?』

『ルルだけ、俺たちと別に隔離されたからだ』

その考えが正しいならアクの狙いは……。

『アクは、ルルを使って鍵を作り出そうとしている』

『鍵って……?』

『世界を壊す扉の鍵だ。ヴィーナスの力を完全に引き継いだルルの力は、先代のヴィーナスよりもはるかに高い』

「じゃあ、早くルルたちを助けに行かなくちゃ!」

『今のお前たちでは無理だ』

オルドの言葉に、私たちは視線を下げた。

オルドの言う通り、今の私たちじゃルルを助けることは出来ない。

助けるどころか、今の体の状態じゃ七つの大罪たちにやられてしまう。

『ルルは、あと数日で完全にヴィーナスの力を引き継ぐ』

「それじゃあ遅いよ!」

『だから、お前たちには早く怪我を治してもらう』

そ、そんな無茶なことを……。

『私なら、すぐに治すことができるよ』

『っ!』

「?!」

私たちは、声は聞こえた方へと振り返った。

『どこから入ってきた?』

『ちゃんと扉から』

全身黄色い服で統一された服を着ていて、顔を白い布で覆った妖精がそこに立っていた。

『やはり、生きていたんだな。リヤン』

『……』

『り、リヤン?!』

リヤンは、ふわりと宙を浮くとオルドの目の前まで飛んでいく。

『喜ばないの?アクを倒すために生まれた子が生きてたんだよ?』

『アクを倒すために生まれた存在だと?』

ソレイユは、私とリヤンを交互に見る。

「どういうこと……」

『あなたたちには、関係のないことだから』

リヤンは、愛斗とソレイユにてをかざす。

『や、やめて!』

私は、咄嗟に車椅子から立ち上がって二人の前に立つ。

その瞬間、私の体の傷がうずく。