fairy3 空の物語 上

『それほどまでに、アカツキにとって彼女はとても大切な人なんだね』

『はい……』

『……分かりました』

『ヴィーナス?!』

見ない間に大きく成長したヴィーナスが、俺の前まで歩いて来る。

『そもそも、あなたたちを無理矢理側近にしたのはこの私です。アカツキ、あなたが思うように生きなさい』

『ヴィーナス……ありがとうございます……』

俺は、深々と頭を下げた。

本来なら俺は、ヴィーナスを守らないといけない立場だ。

でも、ヴィーナスはそんな俺に“自由”をくれた。

だからこそ、俺は最後まで晶の成長を見届けることが出来た。

ヴィーナスには、感謝しきれない思いがある。


『……』

オルドは、何も言ってくれず、一人部屋から出て行った。

俺は、オルドの願いを二度も裏切ってしまった。

俺自身も、オルドにかける言葉が見当たらず、俺たちは別れることになった。

そしてすれ、俺たちが違ったまま晶は教師になった。

俺の願いは達成され、心から嬉しいと感じた。

今でも、緊張しながら自分の初めての生徒に挨拶している晶の姿が、脳裏に浮かぶことがある。

俺は、晶の心の妖精ではないが、あいつの妖精で良かったと思っている。

その後、俺はヴィーナスの命により、ルルたち七人の妖精たちを守護妖精として任命した。

もちろん俺自身もだ。

守護妖精として、元側近として、これからヴィーナスの為に働こうと思っていた時だった。

あの事件が起きたのは――