fairy3 空の物語 上

『なに馬鹿なこと言ってやがる!』

オルドは、俺の胸ぐらを掴むと、鋭い目つきで俺を見てきた。

『ヴィーナス様を守るのが俺たちの役目だ。お前は、その任を放り出すのか?!』

『これはヴィーナスのためでもある』

『俺は認めないぞ……』

『認めてくれなくてもいい、これは俺が決断したことだ。お前にとやかく言われる筋合いはない』

『くっ……!』

オルドは、胸ぐらから手を離す。

『だけどアカツキ、あなたは心の妖精じゃない。どうやってその子を見守るの?』

『その妖精の持ち主には、友達が二人居ます。その内の一人には、もう妖精が宿っています。ですが、もう一人にはまだ宿っていません』

『その主が望むことが、お前に出来るのか?』

俺は、軽く笑い自信満々に答える。

『勉強を教えることができる妖精なんて、俺以外に適任はいないでしょう?』

『……』

『……分かりました』

『ヴィーナス様!』

ヴィーナスは、俺のところに来ると手を差し出す。

『あなたを側近から外します。そしてアカツキには、特別な任務を与えます』

『ありがとうございます』

床に膝をつき、俺はヴィーナスに頭を下げた。

『くっ……』

オルドは、納得が行かず拳に力を込めていた。

それから間もなくして、俺は晶の妖精になった。

それがきっかけで、オルドとの関係に溝が出来たのはたしかだ。

だが、これは俺が側近として出した答えだ。

最後まで任を全うしてみせるさ。