fairy3 空の物語 上

【シアン】

私の目の前には、あの時助けれくれた奇跡がソファに座っていた。

奇跡の隣にはもちろん、シンクという名の妖精の姿もあった。

『体の方は大丈夫か?』

『少しはね』

私は、アスナに頼んで奇跡の傍まで車椅子を押してもらった。

『奇跡、だよね?』

「あぁ」

彼は、仏頂面な顔で私の質問に返事をした。

『あの時は、助けてくれてありがとう』

私は、キセキに深々と頭を下げる。

「別に、助けたのは気まぐれさ。あの時俺が助けなかったら、お前たちは確実に、グリードに殺されていただろうし」

『そうね……』

私は、シンクに目を移す。

『一つ聞いていいかな?』

「なんだ?」

『その子、シンクだったかしら?シンクは、本当に八人目の守護妖精なの?』

「……」

奇跡は、ちらっとオルド見たあと口を開く。

「なんでそんなことを気にする?」

『本来、守護妖精は七人しか存在しない。なのに、八人目が居るなんておかしいのよ』

『ねぇ奇跡、本当のこと言った方が……』

「シンクは黙ってろ」

奇跡は、立ち上がると私を見下ろす。

「お前に言うことはなにもない。シンクのことも、俺たちのことも、そしてお前たちについてもだ」

『……』

やっぱり、簡単には話してくれなさそうだ。

『なら、仕方ないよね……』

本当は、納得いかない。

けど、これ以上聞いても彼は何も答えてくれないだろうし。

『話は終わったか?』

「あぁ、それじゃぁ俺は行くからな」

奇跡は、シンクを連れて部屋から出て行ってしまった。

『いいの?行かせても』

『あいつの事は置いておけ、何もなければここから出るなと伝えてある』

『ならいいけど……』

アスナは、奇跡が出ていった方に目を見つめていた。