fairy3 空の物語 上

「愛斗がオフってことは、奏佑もオフなんだよね?」

「うん、でも奏佑は未来と帰っていると思うよ」

「あー、なるほど」

奏佑も剣道部に所属していて部長でもある。

奏佑も愛斗と同じくらい強いみたいなんだけど、二人が本気で勝負したらどっちが強いのかな?

それに、奏佑は頼れるお兄ちゃんだけど、今は未来のことで手一杯だ。

だって、奏佑は未来のことが好きだから。

前に未来に奏佑のことをどう思ってるか聞いてみたことがあった。

だけど本人は……。

「奏佑?奏佑はお兄ちゃんもみたいな人だよ」

って言っていて、まったく意識していない。

それもあってか、未来が他の男の子に取られないようにって、奏佑も頑張ってる。

「奏佑も大変だよねぇ」

「それは分かる」

そう言えば、愛斗は好きな人とかいないのかな?

一葵はともかく、愛斗なら好きな人くらい居そうな気がするけど。

「ねぇ愛斗」

「ん?」

私は、思いきって愛斗に聞いてみることにした。

「愛斗は、好きな人いないの?」

「……えええ?!」

愛斗は、頬を赤くして慌て始めた。

それが面白くて、私は好きな人が居るんだなと確信した。

「へぇ、居るんだ好きな人」

「い、いないよ!いるわけないない!」

「そ、そんなに強く否定しなくても」

もしかして、知られたくない人とか?

私は、これ以上聞いても愛斗は答えてくれないと考え、その先は何も聞かなかった。

「みんな、青春してるよねぇ」

「そうだね」

私たちは青空を見上げた。

雲がゆっくりと流れていて、暖かい風が私たちの間を抜けていく。

「やっぱり、青空が一番好きだなあ」

どこにいたって、空は繋がっている。

遠くに離れていても、空は同じだから繋がっている。

そんな気分になれる。

だから、私は青空が一番好きだ。