fairy3 空の物語 上

『一体なにが起こっているの?!』

傷の治りの早さといい、あの時の姿といい……。

まるで、他の妖精の力が雪菜の身体に働いているみたいじゃない……。

『もしかして、私以外の誰かと繋がっているの?』

でも、そんなことは有り得ない。

人間の心が一つしかないように、妖精は人間に一人しかつかない。

だから、リンク出来るのも私だけのはず。

なら、あの姿はいったい……。

『とりあえず、オルドに報告しましたが、今は別の人と話されています』

『別の人?』

私は、“奇跡”という名前の男の子のことを思い出した。

『まさか、その人って奇跡って名前じゃない?』

『はい、そうです。よく分かりましたね』

『誰だ奇跡って?』

『シアン様たちを助けてくれた方ですよ』

『俺たちを?!』

彼がここに居るならきっと、シンクという名前の妖精もいるはずよね?

私は、駄目元でアスナにお願いしてみることにした。

『ねぇアスナ、オルドと奇跡がいる部屋まで私を連れて行くことって出来る?』

『はい、できますよ』

『なら、私をそこまで連れて行って!』

『シアン?』

どうしても、一つ確認したいことがある。

あのシンクという妖精は、本当に八人目の守護妖精なのかどうかってことを……。

『本当はあまり動いてほしくないんですが、オルドにもシアン様を連れてくるように言われていましたので』

『なら、さっそく!』

『分かりました』

アスナは、部屋の中に置いてある車椅子を引っ張り出す。

『ここに座ってください』

アスナに体を支えられながら、私は車椅子に座った。

『ちょっと行ってくるね』

『分かった』

ソレイユに微笑みかけた後、私たちはオルドの部屋へと向かった。