fairy3 空の物語 上

【グリード】

『……申し訳ございません。アク様』

俺は、アクの前でひざまついていた。

『……』

アクは、きっと冷酷な瞳で俺を見下ろしていることだろう。

だって俺は、アクの期待に応えることが出来ずに、シアンを逃し怪我を負ってのこのこと帰ってきたのだから。

『一体、何があったんだい?』

『実は……』

俺は、言う覚悟を決めてアクに全てを伝える。

『八人目の守護者と名乗る男が現れました』

『っ?!』

アクは、驚いて目を丸くした。

驚くのも無理もない。

俺だって未だに信じられないことだと思っている。

守護妖精は、元々七人しか存在しない特別な妖精だ。

なのに、今日八人目と名乗る守護妖精の持ち主が現れた。

『八人目の守護妖精……、その子の名前は何ていうの?』

『男がシンクと言っていました』

『シンク、ねぇ……』

アクは、その名前に聞き覚えがあったように見えた。

すると、アクは笑顔を浮かべながら俺に言う。

『とりあえず休んでくれグリード。その八人目の守護者は、俺の方でも調べてみる』

『申し訳ございません。俺は、ご期待に添えることが出来ませんでした』

アクは、俺の元まで歩いて来ると言う。

『別にいいさ。シアンを連れてくる機会はいくらでもある、そのためにも早く傷を治してくれよ』

『ありがたきお言葉です』

マントをひるがえしたアクに、俺はある事を思い出しアクを呼び止める。

『あ、アク……様』

『なに?グリード』

『もう一つ、知っておいてほしいことがあります』

アクは、ゆっくりと俺の方へと振り返った。

『男が現れる前、俺はソレイユを殺そうとしました』

『それで?』

『その時、雪菜の体にある異変が起きました』

『異変……?』

アクは、俺の言葉に目を細めた。

あの時のことは、よく覚えている。

突然俺の目の前に現れ、俺の手甲鉤を一瞬で止めたあの姿ーー

あの姿に俺は、見覚えがなかった。

シアンとのリンクは外されていて、本来なら動けるはずのない体を、あいつは誰かとリンクを行い、俺の手甲鉤を止めた。