fairy3 空の物語 上

【シアン】

『な、に……?』

雪菜の体の中で嫌な力を感じた。

その嫌な力は、アクと似たような物に思えたけど、どこか違う気がした。

それに、この気配に私は覚えがあるような……。

『雪菜?』

雪菜の名前を呼んだ時、何かの力が働いて雪菜とのリンクが無理矢理解除されてしまった。

『きゃあ!』

私は、そのまま地面を転がった。

『い、一体なにが……?』

雪菜がいる方へと目を向けた時、そこに雪菜の体見当たらなかった。

『雪菜?!』

その時、私の耳に金属音が鳴る音が耳に届いた。

音が聞こえた方に目を向けた時、そこにはグリードの手甲鉤を、雪菜が腕を使って頭上で止めている姿があった。

『なに……?』

雪菜の姿を見たグリードは表情を歪めた。

雪菜の顔は、白い布で覆われていてよく見えない。

だけど、微かに見えた気がした。

雪菜の瞳が真っ赤な色に染まっていたのを……。

それを見た私は、恐怖とともに何か同じ力を感じた。

やっぱり、あの力に私は覚えがある。

でも、いったい何処で感じたものなの?

『誰だ。お前は……』

グリードは、雪菜から距離を取ると手甲鉤を構える。

『雪菜、なのか?』

ソレイユの言葉に反応した雪菜はが、ソレイユの方へと振り返った時、突然雪菜の体ががくっと揺れた。

そして、そのまま前へと倒れ込んでしまった。

「雪菜っ!」

『なんだ、今のは……』

前に倒れ込んだ雪菜は、いつもの雪菜の姿に戻っていた。

『……今の力、俺の力を吸収したのか?それとも……』

グリードは、構えていた手甲鉤を下ろし再び雪菜に歩み寄る。

『……そんなの、今はどちらでもいいか』

グリードは今度、私の方に目を向けた。

『俺は、アクからシアンだけを連れて来いと言われていた。なら、その主であるこいつは、殺しても構わないよな?』

『ま、待ってっ!』

グリードのその言葉を聞いたソレイユが、雪菜を庇うように覆い被さった。

『二人揃って死ね』

『やめてぇぇぇ!』

その時だった。

バァン――

一つの銃声音が鳴り響いた時、グリードの持つ手甲鉤にひびが入った。

『なに?!』

『……銃声?』

誰が撃ったの?

一体どこから?