fairy3 空の物語 上

『待て……グリードっ!』

グリードは、手甲鉤を構えると一気に私との距離を縮めた。

『は、早い!』

私は咄嗟に、アジュールで迎え撃った。

『さすがの瞬発力だな。だが……』

グリードは、もう片方の手甲鉤で私の体に傷をつける。

『うぅ!』

「シアン!」

体に激痛が走り、私は地面に片膝を付いた。

『はぁ……はぁ……』

『やはり、お前も期待外れだな』

『きゃあ!』

グリードは手甲鉤を使って、私の体を地面へと打ち付ける。

『ぐっ!』

『そんな力でアクを倒すと言うのか?笑わせるな!』

『あああっ!』

グリードの力強い足が背中に踏み込まれる。

『お前など、誰も守れはしない。家族も、仲間も、思い人も、お前は何一つ守ることなく消えていくんだ』

『そ、んな……こと、あああっ!』

グリードは、更に力を込めて私の背中に足を踏み込ませる。

意識が飛びそうになるくらい力は強く、私は意識が飛ばないように必死にグリードの攻撃に耐えた。

視界が歪む中私は、ソレイユに目を向けた。

ソレイユは、必死に私に手を伸ばそうとしていた。

『シアン……!シアンっ!』

『それ、い、ゆ……』

こんな化け物と、どう闘えば良かったの?

どうすればみんなを助けられたの?

私は強くなりたくて、みんなを、大切な人を守るために強くなったはずだった。

こんなんじゃ、誰一人守れないじゃない……!