fairy3 空の物語 上

【愛斗】

「ごめん優空、僕も帰るね」

「あぁ……」

僕は鞄を掴み、雪菜の後を追いかけた。

『クレール、お前は雪菜が優空のこと好きだと知ってて、あんなことを言っただろ?』

『そうよ。そうすれば、諦めがつくと思ってね』

『ほんと、酷いことするわね。あなたって人は……』

『とにかく、雪菜の後を追いかけるぞ』

『えぇ』

病院を出た僕は、雪菜の後ろ姿を探した。

「雪菜……、どこに行ったんだ……」

さすが、足だけは早いんだから……。

とりあえず僕は、雪菜が行きそうなところに向かって走り出した。

走っているせいで、筋肉痛が悲鳴を上げた。

でも、今はそんなことどうでもいい。

「雪菜……」

僕は、傷ついて行く雪菜の姿を見ていることしか出来なかった。

僕には、止められないことだったから……。

「ごめん雪菜!」

公園、商店街、広場に僕は走った。

でも、雪菜の姿は何処にも見当たらない。

「雪菜、どこに行ったんだ?!」

『愛斗!』

「シアン、ソレイユ……」

僕は、手分けして探していた二人に合流して息を整える。

『雪菜は、見つからないのか?』

「うん……。ねぇシアン、雪菜がどこにいるか分からない?」

僕の言葉にシアンは目をつぶる。

するとシアンの体が少しだけ青々輝いた。

『雪菜は……』

シアンは、僕の後ろに指をさし、僕はシアンの指さす先を見てあることを思い出した。

「もしかして……!」

僕は、裏山に向かって走り出した。

『あの裏山って』

『キセキの泉があるところよ』

僕は、小さい頃のある記憶を思い出した。

それは、僕と雪菜がお母さんに怒られた時の出来事だった。