fairy3 空の物語 上

「それじゃあ、私先に帰るね」

「雪菜?」

私は、鞄を肩に担ぎ足早に病室の扉に向かう。

「雪菜、何か話があるんじゃ?」

「あー……、それはもういいよ!解決したから……」

「そうか?ならいいけど」

「それじゃあ、また明日ね」

私は、愛斗とシアンを置いて病室から飛び出して行く。

「ゆ、雪菜待って!」

私は、誰にも追いつかれないようにただひたすらに走った。

「……ないじゃん」

私の頬に涙がつたる。

「私は、あの二人の間には入れない……」

あんな優空君を、私は今まで見たことがなかった。

陽菜ちゃんといる時の優空君、凄く優しい顔をしていて、誰よりも陽菜ちゃんが大切で、好きなんだって気持ちが伝わってきた。

「あの二人にはきっと、誰も入ることの出来ない強い絆があるんだね……」

そんな物、私と優空君の間には存在しない。

だって、私たちはただの“友達”なんだから。

私は、走る足を止めた。

「あーあ……、失敗しちゃったな……」

夜空を見上げた時、視界が涙で歪んだでいるせいで星空が見えない。

「これじゃあ、告白なんて無理だよ」

そう呟いた時、どんどん涙が溢れてきた。

私は、それを何度も何度も拭うけど、拭う度に涙が溢れた。

「うっ……、うぅ」

私は、声を殺して泣き続けた。