fairy3 空の物語 上

【雪菜】

「着いたぞ」

「お、大きな病院……」

優空君に案内された私たちは、学校の直ぐ近くにある百合園病院へと来ていた。

「ここに優空が会って欲しい子が居るんだよね?」

「あぁ、そいつにはお前たちが来るってことは伝えてあるから」

な、なんだか緊張してきた。

『雪菜ったら、ガチガチじゃない』

『いつも通りにいればいいのにな』

『ふん……』

優空君の後ろを着いて歩きながら、私たちはある病室の前で足を止めた。

「ここだ」

私は、扉の横にある名前を見る。

「篠田陽菜(しのだひな)…?」

優空君は、軽く扉をノックする。

「どうぞ」

中から女の子の声が聞こえた。

もしかして、優空君があってほしい子って女の子?!

「俺だ。入るぞ」

優空君は、病室の扉を開くと先に中に入り、私たちも後に続いて病室の中へと入る。

「陽菜、連れてきたぞ」

陽菜と呼ばれた女の子は、読んでいた本を机の上に置くと、私たちを見て優しく微笑んだ。

か、可愛い……。

「初めまして、篠田陽菜です」

「は、初めまして!小早川雪菜です」

「楠木愛斗です」

陽菜ちゃんは、とても嬉しそうにっこり笑い、それを見ていた優空君も、安心したように微笑んでいた。

「あっ……」

その時、私の胸がチクリと痛んだ。

優空君に促され、私と愛斗は近くにあった椅子に座る。

「今日二人に来てもらったのは、陽菜のお願いを聞いて欲しいからなんだ」

「陽菜ちゃんのお願い?」

「はい……」

陽菜ちゃんは視線を下へとさげる。

なにか、重大なことをお願いされるんじゃないかと思って、緊張しながらも陽菜ちゃんの言葉を待った。