fairy3 空の物語 上

いつもなら、奏佑とは張り合えて勝負が出来ていたけど今日は違った。

僕は、いとも簡単に奏佑に負けてボコボコにされてしまった。

「ちょっとは……手加減……してよ……」

「時期主将が甘えるな」

僕は、体育館の床に転がっていた。

あれからどのくらい時間が経ったのか、僕と奏佑以外の部員たちの姿は見当たらなかった。

「ソレイユ、今何時……」

『七時だ』

「もうそんな時間……」

駄目だ。

動きたくても体中が痛くて動けないそうにない……。

「ほら、立てよ」

「あ、ありがとう奏佑」

なんとか奏佑の手を借りて立つことが出来たけど、前に一歩踏み出すのは難しかった。

「それで、今日はいつものお前らしくなかったけど、何かあったのか?」

「何でもないよ……」

告白のこと話したら、絶対雪菜の話題をふられる。

「まあ別にいいけど、剣道部一可愛いマネージャーの子に告白されて、腑抜けた表情になるのはよく分かるよ」

「なっ!」

奏佑は、真剣な表情を浮かべながら僕を見てきた。

「断ったんだろ?」

「……うん」

まさか奏佑に見られてた?

「別に、俺は何も言わないよ」

「え……?」

「何か言うと思ったのか?」

「てっきり、雪菜に告白しろとか言うのかと思った」

「そんなこと言っても、お前はしないだろ?」

「……」

奏佑の言葉は図星だった。

だって昼間の雪菜を見ていたら、告白なんて出来るわけがない。

優空に髪を撫でられている時の雪菜、凄く嬉しそうだった。