fairy3 空の物語 上

【愛斗】

「いたた……」

学校の通学路を歩きながら、僕は湿布が貼ってある肩を抑えた。

「奏佑のやつ、ほんと容赦ないなあ」

『それは、お前のせいだろ』

「そうだけどさ……」

それは昨日に遡る――

放課後、僕は女の子に呼び出された。

その子は、剣道部のマネージャーをやってくれている子で、部内でも可愛いという声を何回か聞いたことがあった子だ。

でも、僕は雪菜が好きだから特に可愛いとは思っていなかった。

そしてその子は、昨日僕に告白してきた。

最初はもちろん驚いた。

何で僕なんかに?

そんなに話したことがあったっけ?

たくさんの疑問が僕の中で浮かんだけど、僕は彼女の告白を断った。

彼女は、凄く悲しそうな表情をしていた。

そんな姿を見たら、申し訳ないという気持ちに襲われた。

こんな僕を好きになってくれた彼女を、僕は振ったのだから。

その後いつも通り部活に参加したんだけど、案の定彼女の姿はなかった。

そりゃあ会いずらいってことは僕にも分かる。

「はぁ……」

軽く溜め息が溢れた。

「おーい、愛斗」

きっと、僕だって今の彼女とどのように接したらいいのか分からない。

「愛斗……?」

同じ部活だから、顔を合わせないなんてことはない。

「おーい」

でも、いつまでもこんなことを引きずっていたら――

「おい!愛斗っ!」

「いったぁ!」

後ろで大きな怒鳴り声が僕の名前を呼び、竹刀が思いっきり僕の肩に打ち込まれた。

「いたたた……、もう、何するんだ奏佑!」

「それはこっちの台詞だ!」

「うっ……」

やばい、今の奏佑めっちゃ怒ってる……。

「部長が呼んでいるのに、無視とはいい度胸じゃないか?」

笑顔なのに真っ黒なオーラが背中に見える……。

「愛斗、竹刀を持て」

「え……」

奏佑は僕に竹刀を渡すと、俺に向き直って構える。

「ちょ、ちょっと、どういうことだよ?!」

「今のお前は腑抜けた表情をしていたからな、そんなんじゃ部活に支障がでるだろ」

「だ、だって……」

「その腑抜けた根性、次の大会に引きづられても困るからな、ここで叩き直してやる」

「ちょ、ちょっとま――!」

「問答無用!!」