fairy3 空の物語 上

「でも、なんで見ているだけであこがれ存在だったの?」

「中学時代の時の奈津は、凄くかっこよくてファンクラブもあったんだよ」

「ふぁ、ファンクラブ?!」

そりゃ確かに近寄りづらいって……。

「でも、奈津はファンクラブの子たちのことあんまり好きじゃなかったの」

「お父さんそういうの嫌なタイプだよね」

きっと学校では、そういう女の子達のことに悩まされてたんだろうなあ……。

「それで、私と奈津が友達になったのはルルがきっかけなの」

「ルルって……」

ルルの名前にシアンも反応する。

きっとシアンの中では、アクたちの事が浮かんだと思う。

「そこから友達になって、サッカーの試合の応援に行ったり、一緒にお祭り行ったり」

「じゃあ、お父さんから告白されたの?」

「うん。本当は、私から言おうと思っていたんだけど、先に言われちゃってね。でも、あの時は本当に嬉しかったなあ」

お母さんは、昔のことを思い出すように棚の上に飾られている写真を見つめた。

「ねぇねぇ、その後はどうなったの?」

「その後は、奈津と同じ高校に通って。そこで、色々とあったかな」

「いろいろ?」

「奈津をめぐって女の子と喧嘩したり、言い争ったり」

「そ、そうなんだ……」

お父さんって本当にモテるなあ……。

「それがきっかけだったかな?奈津と一回別れたのは……」

「え、別れたの?!」

てっきりそのまま女の子は諦めたものかと思った。

「頑張って忘れようとしたんだけど、結局出来なかったんだよね」

「お母さん……」

「だって、奈津が凄く好きだったから」

そう言ったお母さんの笑顔からは、ずっとお父さんが大好きなんだって気持ちが伝わってきた。

「お母さんは、お父さんのこと心から思っていたんだね」

「奈津だってそうだよ」

お母さんは、優しく抱きしめてくれた。

「奈津をめぐって争った女の子とは、ちゃんと話して友達になれた。だから、もう一度奈津にちゃんと気持ちを伝えようとしたのよ」

「うん」

「でも、私は交通事故にあった」

「え……」

交通事故って、そんなことがあったの?!