fairy3 空の物語 上

雪菜の中に戻ったとき何度も思ったことがある。

どうして、“自分なのだろうか”……って。

どうして自分だけが、アクを倒す為だけに生み出されたのか、行き先が決まった使命を持ってなぜ生まれてきたのか。

私は、自分の立場と自分の使命を恨んだことだってある。

使命なんて捨てて、このままじっと雪菜の中で過ごそうかと思った時もあった。

だけどその度に、ずっと脳裏に浮かんだ。

ソレイユとナデシコの笑顔がーー

『ソレイユ……』

私の頬に涙がつたる。

『シアン……?』

それを見たソレイユは目を丸くする。

『絶対……死なないで……。絶対に!』

『……当たり前だ!』

ソレイユの抱きしめる腕に力がこもる。

私も服を掴んでいた手に力を込めた。

『お前を一人になんかさせない』

『うん……』

私は、泣く声を堪えた。

『もし使命が変わらずお前につきまとうなら、俺はお前と共に消える覚悟はある』

『っ!だめだよ……!それだけは……』

私は顔を上げて言う。

『ソレイユやみんなには、生きていてほしいの!それなのに、私と一緒に消えるだなんて』

『言っただろ、一人にさせないって』

『ソレイユ……』

本当にソレイユは頑固だ。

『もう二度と手放したりしない』

ソレイユは、私との距離を縮めた。

私は、拒むことなくそれを受け入れ、ソレイユは角度を変えて、何度も私に口付けをしてきた。

だったら私は、ソレイユの為やみんなの為に闘おう。

アクを倒す為なんかじゃなくて、私は大切な人たちを守るために力を振るう。

そのために強くなれるなら、私は何だってする。