fairy3 空の物語 上

【愛斗】

「オルド、アスナ!雪菜が目を覚ましたんだ」

『え?!もう目を覚ましたの?』

『……予定より随分早かったな』

「そ、そうなの?」

てっきり、もう治ったから目を覚ましたものかと思った。

『私は、先に雪菜様のところへ行くけど、二人もあとでちゃんと来てよ』

『分かってる』

オルドは読んでいた本を机の上に置いた。

『愛斗、どうやら全員帰ってきたみたいだから、先に奏佑たちのところに向かうぞ』

「優空……、帰ってきたんだ」

良かったと思い安心する。

結局は、優空が一番最後だったけど、優空もリンクができるようになっているはずだ。

それに、未来や奏佑たちと同じく七つの大罪に襲われたと思う。

『そういえば、お前は目を覚ました雪菜を見たんだよな?』

「え?あ、はい……」

『なにか、変わったことはなかったか?』

「え……」

それはどういう意味だろうか?

僕は、さっき見たことを言おうとしたけど、言葉を飲み込み頭を左右に振った。

「なにも変わってないです」

『それならいい』

オルドは、それだけ言うと歩き出す。

これを言ったら、何かあるのだろうか?

さっき、僕は確かに見たんだ。

あの時、目を覚ました時の雪菜の瞳の色は、血の色のように真っ赤だった。

でも、瞬きをした時にはいつもの瞳の色に戻っていた。

本当は、見間違いだと思いたいところだけど、あれを見間違えで処理するのは無理だ。

「なにか、雪菜の体に不吉なことでも起こっているのかな……?」

そう考えるだけで僕の体は震えた。