fairy3 空の物語 上

【愛斗】

「はぁ……、疲れた……」

オルドの手伝いがようやく終わり、僕は扉のある部屋へと向かう。

「お疲れ愛斗」

「あれ?帰ってきてたの一葵」

「今さっきな」

部屋の中には、奏佑以外に沙羅と一葵が帰ってきていた。

「他のみんなは……?」

まだ帰ってきていないのは、未来と優空だけ。

二人とも大丈夫なのだろうか?

奏佑は、じっとピンク色の扉を見つめていた。

「やっぱり、未来のこと心配なんだよね?」

僕だって二人のことは心配だ。

でも、二人なら必ず帰ってくると信じてる。

『ねぇクロア、七つの大罪の一人と闘った?』

『闘ったけど、お前たちも闘ったのか?』

『うん!オイラ達たちが闘ったのは、嫉妬の妖精のエンヴィーだよ』

『うわぁまじか、よく生きてたな』

『ちょっと危なかったけどね』

そんな会話が聞こえてきて、二人が遅いのもそれが原因なのかもしれないと思った。

『心配か愛斗?』

「心配だよ……」

妖精サイズに戻ったソレイユが、僕の傍に寄ってくる。

『心配なのは分かるが、あいつらの傍にはローザとクレールがついてる。だから大丈夫だ』

「それなら、いいんだけどね」

ソレイユと会話を終え、雪菜の様子でも見に行こうかと思った時、ピンク色の扉がゆっくりと開かれた。

「未来!」

それにいち早く気づいたのは奏佑だった。

「ただいまー!みんな!」

『やっとついた……』

未来の隣を飛んでいるローザは、疲れたように見えたけど……。

なぜだろうか、未来は凄く元気に見える。

「未来!大丈夫だったのか?!」

奏佑は、未来に駆け寄り肩に手を置く。

未来のことになると、ほんと行動が早くなる……。

「うん!無事リンク出来たよ」

未来は、自慢げに指輪を見せてくる。

それを見た奏佑は、安心したのか軽く息を吐いた。

「良かった。未来が無事で」

『ローザ、一応聞くがお前たちも七つの大罪に襲われたよな?』

オランジュの言葉にローザは頷いた。

『その様子だと、オランジュたちも襲われたのね』

『あぁ、こっちは色欲の妖精ラストだった。そんなには闘っていないが、お前たちが闘ったのはグラトニーだろ?』

『よく分かったわね?』

『ラストが言っていたからな。それにしても、よく無事で帰ってきてくれた』

グラトニーってそんなにやばい奴なのかな?

『未来が頑張ってくれたおかげよ』

「そ、そんな事ないよ。ローザが助けてくれたおかげだよ。それに……」

未来は、ポケットからキーホルダーを取り出した。

「奏佑がこのキーホルダーを貸してくれたおかげで、頑張ることが出来たんだ」

「未来……」

「ありがとう、奏佑」

未来の笑顔を見た奏佑の顔が真っ赤に染まる。

「あそこだけ空気が暑い気がする」

「それ、僕も同じこと思ったよ一葵」

「あ、ははは」

早くくっつけばいいのにと思うよ。

『あとは、優空だけか』

ソレイユは水色の扉に近づく。

「危ないよソレイユ、急に開くかもしれないし」

『そんな勢いよく開くわけないだろ』

いやいや、そうとも限らないと思うんだけど……。

「僕は雪菜の様子見てくるよ」

「まだ眠ってるのか?」

一葵の言葉に僕は頷く。

「まだ眠ってるけど、アスナが治療してくれてるから大丈夫だと思う」

「それならいいけど、目覚めたら俺たちにも知らせろよ」

「分かった」

僕は、みんなを置いて雪菜が寝ている部屋に向かった。