fairy3 空の物語 上

【優空】

「リンクが不可能って、どういうことだよ?」

俺は低い声でクレールにそう聞き返した。

クレールは、俺の質問に頭を左右にふった。

『今の優空は、何の為に闘いたいのかはっきりとしていない』

「はっきりしていないって……、そんなの決まってるさ!俺は、陽菜のために」

『陽菜のために、あなたは闘いたいの?』

その質問に俺は言葉を詰まらせた。

理由は俺にも分からなかった。

『あなたの中には、二つの気持ちがぶつかっているのよ』

「なんでそんな事が分かる……」

『私は、貴方の心よ……優空』

俺はクレールから目を逸らした。

じゃあ、俺はなんの為にここに来たんだ?

こんなの、ただ陽菜を危険な目に合わせに来ただけじゃないか。

俺がいるせいで百合園病院は襲われ、陽菜も殺されかけた。

「じゃあ……、俺は……?」

いったい、何の為に闘いたいんだ?

『見つけたぞ』

俺たちは、病室の入口にプライドが立っていることに気が付かなかった。

俺は、陽菜をベッドに寝かせてカーテンを閉めた。

そして、プライドは俺に矢を構える。

『選択しろ。お前は今すぐここで死ぬか、それともその人間を置いて自分だけ逃げるか』

俺は、プライドを睨みつけた。

『それか、今ここでリンクして、俺と闘うか?』

プライドと俺の間で沈黙が流れた。

リンクの出来ない俺が、今こいつと闘うのは無理だろう……。

病室の中で何か使えないかと、思考を巡らせる。

『いくら考えても無駄だ』

プライドはわざと俺から外すように矢を放つ。

矢は勢いよく窓ガラスに突き刺さる。

その拍子に窓ガラスにはひびが入り、俺はその隙を逃さなかった。

拳を使って窓ガラスを割り、俺は外へと出る。

『なっ?!』

プライドもそれを考えてはなかったのか、驚くと俺の後を追いかけてくる。