fairy3 空の物語 上

『気をつけて沙羅』

「うん!」

私は上に飛び上がり、フラーウムをエンヴィーに投げる。

フラーウムの存在に気づいたエンヴィーは、咄嗟に鎌の方でフラーウムを弾き返す。

私は直ぐにフラーウムを拾いエンヴィーに向けて構える。

「雷の槍(トルエノ・ランツェ)!」

雷をまとったフラーウムを、エンヴィー目がけてもう一度投げる。

『くっ!』

エンヴィーが避けたフラーウムが地面に突き刺さった時、フラーウムから雷が弾け飛ぶ。

『きゃぁ!』

それはエンヴィーの体に直撃し、エンヴィーはそのまま地面に膝をついた。

『さすが、守護妖精の力です』

雷のせいで体が痺れているのか、エンヴィーはふらつきながら立ち上がる。

「あの……、大丈夫?」

私は、エンヴィーが心配になって近寄ろうとした。

しかしそれを見たエンヴィーは後ろへ下がる。

『大丈夫です。それよりも、敵のことを心配するあなたは、優しい人ですね』

「確かに、あなたは七つの大罪の妖精です。だけど、あなたも一人の妖精じゃないですか」

『一人の妖精ですか……』

エンヴィーの後ろに黒い扉が現れる。

『まずい、このままじゃ逃げられるよ沙羅!』

「でも……」

エンヴィーは扉の中へと足を踏み込むと、こちらを振り返って言う。

『私たち七つの大罪を一人の妖精と言うのは、あまり良くないですよ』

「え……?」

どういうこと?

エンヴィーはそれだけ言うと扉の向こうへと消えた。

エンヴィーの気配が消えてから私はリンクを外した。

「今のエンヴィー、凄く悲しそうだった」

『沙羅……』

「分かってるよ敵だってことは……。でも、エンヴィーだってクサンたちと同じ妖精……じゃない」

それをなぜ言ってはいけないの?

私は、エンヴィーが消えた方向を見つめて目を細めた。