fairy3 空の物語 上

『奏佑!』

「え……?」

奏佑に名前を呼ばれて我に返った時、ラストの大鎌が俺の頭上めがけて振り下ろされていた。

「くそっ……!」

だが俺はギリギリ避けることが出来た。

間一髪だったけど……。

『奏佑、まさか未来のことを考えていたんじゃないよな?』

「うっ!」

『やっぱり……』

「し、心配なんだよ!」

『未来のことよりも、今は自分のことを優先して考えろ!』

オランジュに一喝される。

オランジュがこんなふうに怒るのは初めて見た。

「ご、ごめんオランジュ」

俺は、オランジュから目を離す。

『あらあら、仲間割れですか?』

『違う。ただの説教だ』

ラストの大鎌を俺たちは避ける。

『もしかして、他のお仲間のことを考えていたんですか?』

「まぁね、一人心配な子がいるんだ」

『そうですか。でも残念ですわ』

「どういうことだ?」

ラストは肩に大鎌を担ぎ嘲笑った目で俺を見る。

『きっと、あなたが心配している人は、七つの大罪のうちの一人に殺られたと思いますわ』

「っ!」

ラストの言葉で俺の心臓が大きく跳ねる。

『そうですわねぇ……、例えばあの桜の妖精を持つ未来って人は、相手がグラトニーだから生き残る確率は少ないですわよ』

「なっ……!」

『グラトニーは、七つの大罪の中で一番の凶暴なやつだ』

そんなやつと未来は闘っているのか?

俺は拳に力を込める。

『奏佑?』

俺の中で未来の泣いている姿が浮かぶ。

「俺が……行かなくちゃ……」

『何か言いましたか?』

「未来は、俺がいないと駄目なんだ!あいつを、守ってあげなくちゃ!」

『多分もう遅いですわ』

ラストはニヤリと笑う。