fairy3 空の物語 上

【奏佑】

俺とオランジュは色欲の妖精ラストと向き合っていた。

さっきから自撮りばかりしているけど、そんなに自分の顔ばかり撮って楽しいのだろうか?

『さて、こんなもんかな?』

ラストは、俺たちに向きお治ると改めて名前を名乗る。

『こほん、初めまして御二方。わたくしは色欲の妖精ラストと申します。いご、お見知りおきよ』

「は、初めまして」

ラストが頭を下げたので俺も釣られて頭を下げる。

『まぁ、なんて礼儀の正しい人なんでしょ?』

「よく言われるよ」

父さんにはよく、礼儀だけはしっかりしとけと、何度も言われたことがあったからな。

『長話は無用だラスト。本題に入るか』

『そうですね、わたくしも早く帰りたいので』

ラストは、空に手をかざし手のひらの中に大鎌を出す。

『それでは、参りますね』

ラストが戦闘態勢に入りかけ、俺は慌ててラストを止める。

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

『なんでございましょう?』

「し、正直言って俺さ、君みたいな小さい子とは闘いたくないんだよね」

『それは、わたくしが可愛いからですか?』

「いや、それは関係ない」

俺の言葉にラストは頬を膨らます。

色欲の妖精ってこともあって、この子は自分を可愛いと思っているみたいだ。

そのせいかな自撮りばかりしているのは?

「はぁ……、ところで君はいったい何歳?」

深い溜め息を吐きつつ、俺はラストに問いかける。

『そうですね、人間で言うならば十二歳くらいかしら?』

「そんな君が闘うなんて、怪我でもしたらどうするんだ?」

俺はラストの目線に合わせて座り込む。

『駄目だ……。また、奏佑の悪い癖が出始めた』

オランジュは額に手を当て頭を左右に振る。

「いい?君みたいな女の子は、ここにいちゃ駄目なんだよ?」

『仕方ありません。命令されたのですから』

「それでも、大人しく帰りなさい」

『いやです!』

あれ?

これで殆どの小さい子は素直に帰るのに。

『おい奏佑、お前まさかそいつが他の子供と同じだと考えてるだろ?』

「そうだけど?」

『……』

オランジュの言葉に俺は首を傾げた?

だって人間の十二歳くらいなら子供だろう?